ガウディ没後100年、そしてサグラダ・ファミリアのメインタワー「イエスの塔」完成を記念し、公式展覧会として東京を皮切りに開催され、17万人を動員した『NAKED meets ガウディ展』が大阪にやってきました。
今回の展覧会は、クリエイティブカンパニーのネイキッドがガウディ財団からの正式オファーを受け、世界で初めて同財団と公式ライセンス契約を締結したことから実現しました。ガウディの手記や直筆の書簡、彼が使用した制作道具をはじめ、未公開の資料や模型、スケッチなど、学術的にも極めて貴重なコレクションを網羅的に展示しており、これほど多くの財団所蔵資料が同時公開されるのは世界初です。
◆エリア紹介◆
展示エリアはイントロダクションから始まる7エリアで構成されています。また、各エリアにはガウディの名言を記載したパネルがいくつか設置されています。
【Area1:旅のはじまり】
入場して一番に目に飛び込んでくるのは、ガウディが得意とした技法”トレンカディス”を背景に、サグラダ・ファミリアを支える手が描かれた展覧会パネルです。描かれている手のモチーフは、「全ての行為は手を通して世界に形を与える」という想いを表しています。破砕タイルを用いたモザイク装飾の技法”トレンカディス”で有名なガウディですが、これは、壊れて廃棄される陶器やガラスの破片を組み合わせることで、曲面にぴったりとフィットする柔軟な装飾膜を作り出したと言われています。
【Area2:記憶の森】
ガウディの幼少期は病弱であったこともあり、自然の中で植物を観察して過ごすことが多く、その中で感性を育んでいきました。木々の枝ぶり、虫の羽、花の螺旋など、自然の中に秩序と造形美を見出し、やがて彼の建築思想の礎となります。


【Area3:創造のるつぼ、バルセロナ】
バルセロナは19世紀末、第2次産業革命の恩恵を受けて大きく発展しました。若きガウディは、ゴシック建築やアラブ様式など多様な文化が交差するこの都市で、建築という表現の新しい可能性を見出します。
ガウディのキャリアの始まりを示した説明パネルや卒業制作の作品を展示したスペースがあります。


ガウディのキャリアの始まりを示した説明パネルや卒業制作の作品が展示されています。


その奥には、体験型アクティビティとして、壁面に描かれたガウディが携わった世界遺産に登録されている「グエル邸」や「アストルガ司教館」の一部に手を置くと光が立ち上がり、建物が息づくように形を成していきます。
【Area4:ガウディの工房】
ここでは、紐と重りを使った“逆さづり模型”フニクラをはじめ、ガウディが自然の法則を通して構造を発見しようとしたことに因む展示がされています。重力や光、音など、宇宙に潜む秩序を読み解き、建築を生命体のように育てた彼の探求心をデジタルとアナログな視点から学ぶことができます。
設計手法の探究の為のアイテムとして、サグラダ・ファミリアなどの設計において立体的な空間構成を研究するために使用した、手作りの「ガウディの3D立体視メガネ」のレプリカなどを実際に手に取って体験することができます。


来場者が「アナログ・フニクラ模型(鎖の模型)」を動かして生まれた曲線を、AIがリアルタイムに読み取り、ガウディを想起させる建築デザインへ変換して映像投影する体験コンテンツは、技術の設計・検討にあたって、デザイナーのティム・フー率いるロンドン拠点の建築スタジオ Studio Tim Fuとポルトガル出身の建築家 デイヴィッド・アフォンソの協力のもと、開発されました。

こちらの「デジタル・フニクラ模型体験」は、タッチパネルを使ってオリジナルの建築物を作成できるコンテンツです。完成した建築物は画面のQRコードを読み込むと、当日の日付が入った本展のポスター風画像をダウンロードすることができます。
Studio Tim Fuについて
ティム・フーは建築スタジオStudio Tim Fuの創設者兼ディレクター。AI時代に人間の芸術性と独創性を守りつつ、機械と創造性をつなぐ建築手法を探求。世界各地で協業し、表現力あるデザインとAIの可能性を融合、建築実務の新しい未来を提唱しています。
デイヴィッド・アフォンソ
ポルトガル出身の建築家。構造設計・解析・施工を軸に、アートとサイエンスをつなぐ手法を研究しています。モーションキャプチャを用いた「ポリフニキュラドール」や、軽量構造を生成するプラグイン「StructuralDesigner3D」を開発し、デジタルとフィジカルが融合する建築的ソリューションに貢献しています。
【Area5:生命のかたち】
ガウディ建築物は単なる構造物ではなく、大地や光、海、風そして時間が織りなす、いわば生きた存在とも言えるほどに”生命らしさ”を感じさせてくれます。-自然が建築の源となり、息づき始める-ここは、ガウディが生み出す「生命のリズム」が動き出す瞬間を体感できる場です。




《ガウディの手記》
ガウディの手記も公開されており、展示物を囲うように、その内容の詳細解説とともに、筆跡研究により、ガウディの個性を解き明かすノートの詳細パネルが設置されています。

《光をまとうトカゲ》
色が変わるインタラクティブ演出として、グエル公園のトカゲを再現した模型が展示されています。タブレット端末を使って色を選び、なぞることで、目の前のトカゲの模型を好みの色に変化させることができます。
【Area6:サグラダ・ファミリア:永遠の聖堂】
このエリアでは、音と光の没入空間の中で、サグラダ・ファミリアが生まれ、変化し、受け継がれてきた“光の記録”を辿ります。
5分のショーと3分のインターバルで構成されており、ショーでは、サグラダファミリアが立ち上がっていくイメージを光と建築、物語として描き出します。この映像では、「どのような想いが、この建築をいまへと繋いできたのか」「完成を目指すことと、つづけていくことのあいだには、どんな違いがあるのか」という問いを、私たちにそっと投げかけます。
インターバル時には、空間は一面「トレンカディスの海」へと姿を変えます。来場者が床の上を歩くと、”その人だけの”トレンカディスに欠片が、ふんわりと漂い始め、その破片たちはやがてガウディを象徴する建築のかたちへと変化していきます。ここでは、ひとつひとつ不揃いで小さな「破片」にすぎないものが、重なり合い、響き合い、やがてひとつの世界を作り上げていく感覚を体験できます。



【Area7:未来への種】
ここでは、「ガウディが残した未完成のプロジェクトたち」が展示されているとともに、ガウディが遺したものは、建築ではなく“思考”そのものだった。この哲学を受け継ぎ、新たな形で世界に広がっています。ここでは、ガウディを敬愛する著名人からガウディへのメッセージを展示。




【Area7:GAUDI × DANDELION】
こちらのインスタレーションは、2020年からネイキッドが世界各地で展開している「世界を繋ぐアートDANDELION」。黄色の蕾に息を吹きかけると綿毛が舞い上がり、花畑に佇むサグラダファミリアが現れます。
日本で吹かれた綿毛によって、世界のどこかで花が咲くという平和への願いを込められています。

最後の体験コンテンツとして、細かく切られて白の用紙に、自由に色を塗り、自分だけのトレンカディスをグラフィックパネルに貼り付けることができます。ここには、ガウディが見出した“再生の美学”を表現したトレンカディス・その一片一片は、個の力が調和して全体を成す象徴でもある。来場者自身がその“欠片”となり、未来へと続く美をともに紡ぐというメッセージが込められています。
◆ギフトショップ◆

ポストカードやクリアファイルなどはじめ展覧会にまつわるギフトが揃っており、大阪展限定のハイチュウ「ガウチュウ」(¥1,944 税込)もラインナップされています。その他、普段使いできるトートバックやキーボルダーや缶バッチのカプセルトイも用意されているので、来場の際には、是非チェックしてみて。
□開催概要□
・イベント名:ガウディ没後100年公式事業NAKED meets ガウディ展(ネイキッド・ミーツ・ガウディ テン)
・会場:VS.(グラングリーン大阪内)
・開催期間:2026年4月17日(金)〜6月15日(月)
・開催時間:平日10:00~20:00(19:00最終入場)土日・祝日9:30~19:30(18:30最終入場)
※5/19(金)、6/5(金)は夜間貸切実施のため、10:00~18:00(最終入場17:00)の営業となります。
※最終日6/15(月)は、10:00~18:00(最終入場17:00)の営業となります。
・チケット料金:【平日】大人2,700円/小中高1,900円【土日祝】大人2,900円/小中高2,100円
・公式サイト:https://meets.naked.works/gaudi/
<注意事項>
※当日の混雑状況により、入場までお待ちいただく可能性がございます。
※未就学児入場無料。
※主催者の都合により休止または中止した場合を除き、チケットの返金・変更はできません。
今回ご紹介した展示はごく一部に過ぎません。ほかにも、世界初公開となる「サグラダ・ファミリア設計図原案」をはじめ、ガウディに関連する魅力的な展示が数多く並んでいます。建築物として鑑賞するだけでなく、その作品に込められた想いやガウディの思想、さらには当時の時代背景にも思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

